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被爆体験について 
今井 寿美子(いまい すみこ) 
性別 女性  被爆時年齢 34歳 
被爆地(被爆区分) 広島  執筆年 1995年 
被爆場所  
被爆時職業  
被爆時所属  
所蔵館 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館 
戦争はどんな理由があってもしてはいけない事と思ひます。私も三日間父の看病で学校の雨天体操場の名ばかりの収容所にゐてたくさんの人の亡くなるのを見てきました。父も三日後になくなりました。

収容所の悲惨な事は思ひ出したくもありません。父の焼けた顔、手、には生きてゐるのに虫がわきました。それを箸で取る事しか方法がないなんて人の世界にあるべき事でしょうか。頭をおかされてゐたのか痛いとも云はず部下だった方から田舎のトマトをおいしいと少したべて命を終へました。

女の子の中学生が自分の体も硬直してしまってゐるのに一緒に奉仕団に行った母さんの事を一生けん命気にしながら欲しがったトマトを少し私の手から食べて喜こんだ顔は今でも忘れられません。

何十人もゐた罹災者が動かなくおとなしくなったら命も消えてゐる。こんな様が人間の世界にあってよいものでしょうか。

こんな事をひきおこす戦争は憎くてたまりません。
二度と戦争許すまじと叫んで終ります。
思ひ出したくない思ひ出です。

皆様の御めい福をただお祈りしております。
  

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