千葉県野田市 梅宮 玉枝
七十五年の節目の原爆記念日、八月六日の広島と八月九日の長崎の式典を自宅のテレビで見たのは初めてのことだった。
今までは千葉県代表として派遣され広島市主催の平和会議で学び、他県の方と意見交換などの交流会に参加した。昨年は私が所属する広島の団体からの推薦で市民代表献花者の一人として原爆死没者慰霊碑の前で、多くの犠牲者に対し安らかに眠ってほしいと心から願い献花する機会に恵まれた。これは七十六年の私の人生で大切な思い出でもあります。暑い夏に広島長崎まで行けることが健康なんだと自信もあった。七十五年の今年も当然参列するつもりで計画をしていたが、世界的な大流行の新型コロナウィルス感染予防のため両市とも参列者席を減らされ、招待客以外は入場できないことになった。
白い大きなテントの中はテレビ画面によるとソーシャルデスタンスを厳守される主催者の志向で、椅子は離して並べ全員がマスク着用姿がうかがえる。手の消毒用スプレーを持った中腰の職員が忙しく動きまわる様子から、新型コロナの恐怖を知りつつも多くの犠牲者の慰霊をしたい気持が勝っていたからこそ実現した平和式典だった。
来年はコロナ禍も終息し、心おだやかに参列したいと夢みています。今日から体力維持に努めなくては。 |