故 片山一郎の母 片山誌子
一中一中一中とうたいし唄声を
耳底にのこして去にし子一郎
たくましく陽やけせし子の背嚢を
しめしバンドは光りおりしが
白骨の中に見出せし眼鏡サックを
一郎の形見よと兄の持ち来し
ありもせば鴨居にとどかんゆたけき背丈
はらからとともに競いて見んに
出典 『星は見ている 全滅した広島一中一年生・父母の手記集』(鱒書房 昭和二九年・一九五四年)九七~九七ページ
【原文中には、ジェンダー、職業、境遇、人種、民族、心身の状態などに関して、不適切な表現が使われていることがありますが、昭和二十九年(一九五四年)に書かれた貴重な資料であるため、時代背景を理解していただくという観点から、原文を尊重しそのまま掲載しています。】 |