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最近思うこと 
早坂 博(はやさか ひろし) 
性別 男性  被爆時年齢 20歳 
被爆地(被爆区分) 広島  執筆年 2005年 
被爆場所  
被爆時職業  
被爆時所属  
所蔵館 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館 
最近思うこと

一、一九八〇年一二月一一日(厚相の私的諮問機関)略称「基本懇」が提出した「意見」 基本懇は、高まる被爆者援護法制定要求を拒み次の様にのべた。およそ戦争という国の存亡をかけての非常事態のもとにおいては、国民がその生命身体財産等についてその戦争によって何らかの犠牲を余儀なくされたとしても、それは国をあげての戦争による「一般の犠牲」としてすべて国民がひとしく受忍しなければならないところである。

二、この一の「基本懇」が提出した意見の時期にはすでに日本国憲法が出来ており「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうに決意」前文─この立派な憲法制定のもとに政府は被爆者援護法制定要求に対して国をあげての戦争による「一般の犠牲」としてすべて国民がひとしく受忍しなければならない─とは全く憲法の平和主義定めてる事柄とは違っており、これでは我々は今後安心に生きてゆけない。国の考えに一層反発し「戦争を遂行した国の責任にて原爆被害をつぐなえ・・」と強く国に要求する結果となった。この受忍論はそのままになってるようだが何時の日か論議してほしいものだ。

三、今年の一〇月二八日自民党の「新憲法草案」発表された九条から第二項(戦力不保持、国の交戦権の否認)を削り自衛軍を明記するこの草案は、戦争出来る憲法であり小泉総理の靖国参拝問題で「再び戦争をおこさない決意を祈願した・・・」全く信用出来ない発言で、絶体我々は憲法九条をまもり続ける決意を強くしている。

四、原子爆弾投下された日本として国民及び政府として原爆投下と云う事をどの様に位置ずけするのか─広く議論してもらい、日本政府国民としてのまとまった考えをもち世界の国々から信頼される日本を素早くつくってほしいものだ。

五、「我々被爆者を助けて下さい・・国の税金を是非頂戴したい・・」こんな考えは一切あってはならない。他人対して甘える事も禁物である。我々は我々で生きていく覚悟です。憲法九条をまもり核のない平和な世の中が一日も早く到来することを心から願ってる今日この頃です。
          
                          以上

  

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